軽さが信条。

ブックマーク経由高野寛デビュー20年記念の新作が、しかも「虹の都へ(ver.09)」というおまけ付(酷い)で出ると聞いて近所のツタヤに走ったら高野寛のタの字も無えでやんのこのくそショップがよ〜とかいうのは置いておくとして、ひとしきりガックリ来た後にアマゾンで注文していた商品がやっと届いた次第。

Rainbow Magic

Rainbow Magic

あーもう、懐かしいなあ何もかも。

彼がデビューした頃俺は大学生で、留年を繰り返した挙句4年になったら行こうと思っていた研究室の研究テーマが大きく変わって大学に残る意味が無くなったところで途方に暮れそうになっていた時期であり、そんな精神状態で聴く高野の音楽はある種バブリーな匂いに包まれた軽過ぎる能天気POPソングに映ったものだった。スカスカしてんじゃねーよ!みたいな。
実際は熟考を重ねたアレンジの上に載せるためだけに考え抜かれた極上のBGMなわけだが、学生自分の俺には考えが及ぶべくも無くシンセアレンジが好きな1曲として通り過ぎた。同じ傾向でも考えが変わってアーティストとして追いかけようと思ったのはべステンダンクからだったなあ。今でも高野の中では一番好きだ。

今回のアルバムは、1周回って原点に返ろうという意図が見え見えなのが難だなあとは思ったがドライブのお供には最適。ソリッドで柔らかなアコースティックアレンジが、昔のきらびやかなイメージを引きずっている人には寂しいなあとも思うけど年齢なりの消化なんだろうと考えると妥当なセンかもしれない。フォーク寄りな視点は好き嫌いが分かれそうではあるが俺には心地良かった。


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